いろりに丸太椅子や木製の机。日光市三依地区の自然と相まって、田舎風に造られた店内に心が和むと、観光客が訪れる。リピーターも多く、店主の阿部喜好(あべきよし)さん(82)との会話を弾ませる。

 阿部さんが、山菜加工の漬物店「阿部商店」の経営から一線を退いたことを機に、2014年に漬物店の一部を改装して始めた。

 国道121号(会津西街道)に面し、「街道沿いに喫茶店があったら、観光客にもいい」という友人の勧めがきっかけだったという。収集してきた絵画などのギャラリーも併設している。

 自慢は石臼で引いたコーヒー(税込み500円)。客が自ら引くこともでき、漂う香りが一層、コーヒーの味を引き立てる。注文すると、山菜の珍味も付いてくる。

 「とちもち」や「おしるこ」(各税込み500円)といった甘味も人気だ。手作りにこだわり、例えば、とちもちは阿部さんが昔ながらの道具を使い、約2週間かけて作り、いろりであぶって食べる。

 手間はかかるが、「お客さんの喜ぶ顔が見たいから」と阿部さん。「店を始めて『一期一会』がよく分かった。開店して本当に良かった」と笑顔を見せた。

 ◆メモ 日光市中三依120。午前10時~午後5時。火、水、木曜定休。12月初旬~3月中旬は休業。(問)0288・79・0221。