完成した製品を手にする綾川社長(左)と小林専務=栃木市

 新型コロナウイルスの感染防止策に有効な医療関連製品の生産、増産を支援する栃木県の補助金交付先となった企業同士の連携による初の商品が誕生した。小林酒造(小山市卒島(そしま)、小林甚一郎(こばやしじんいちろう)社長)の除菌・抗菌用アルコール製剤「アルコメイト77」で、専用容器を医療用消耗品製造の「アータマ」(栃木市大平町西山田、綾川雅宏(あやかわまさひろ)社長)が開発した。全く接点がなかった両社を県が橋渡しした。両社は「お互いの存在がなければ生まれなかった」と商品化を喜んでいる。(吉田隆則(よしだたかのり))

 補助金はコロナ対策に有効な医療関連製品を生産、増産する企業を支援する県の「マスク・医療関連製品等生産設備導入支援補助金」。両社を含む25事業26社に交付が決定した。

 小林酒造は昨年6月ごろ、高濃度の発酵アルコールに天然由来のカテキン成分を加えたアルコメイト77を開発した。当初は瓶詰めで出荷していた。安全性や利便性向上のため、容器を瓶から樹脂製ボトルに切り替えようとしたものの、製造業者に心当たりがなかった。県工業振興課へ相談し、アータマを紹介された。

 全く取引がなかった企業からの依頼だったが、綾川社長は「困っているなら助けたい」と快諾した。小林酒造が使用する充填機に合わせたボトルの口径や形状に合わせて金型を作るなど、3カ月にわたる試行錯誤の末、ボトルを完成させた。

 小林酒造の小林正樹(こばやしまさき)専務(51)は「補助金が縁となり、急ピッチでサプライチェーン(部品の調達・供給網)が構築できた」。県の担当者は「お互いの持ち味を生かした相乗効果が期待できる。今後も要望があれば、仲介役を担いたい」と話している。