午後8時以降の営業休止の要請を受けて、バー店主からは諦めと戸惑いの声が上がった=5日夜、宇都宮市塙田2丁目

 県が宇都宮市内の酒類を提供する飲食店に対し、8日から22日まで営業時間を午後8時までに短縮するよう要請した5日、対象となる居酒屋やバーには「苦しいけど仕方ない」「どこまで効果があるのか」と諦めや困惑が広がった。年末の忘年会需要が激減した上、さらに我慢を強いられる状況に「従わない店も出てくる」と苦悩の声も。飲食チェーンを展開する県内企業も対応を検討している。

 「実質的には休業要請と同じ。要請を守れば市内のバーは数時間しか営業できない」。宇都宮市塙田2丁目でバー「パーク・アベニュー」を営む福田弘樹(ふくだひろき)さん(50)は、ボトルを磨きながら声を落とした。

 営業開始は午後6時。1軒目からバーを選ぶ客は少なく、午後9時以降が「勝負の時間帯」という。「要請期間の時短営業が終わればスッとコロナが消える訳ではない。どこまで頑張ればいいのか」と自らに問うようにつぶやいた。

 同市本町の居酒屋「じょうきげん」は、既に8日以降も常連からの予約が入っている。息子と店を切り盛りする南美津子(みなみみつこ)さんは「一人一人電話をして事情を説明しないと」と焦りを隠せない。

 午後5時の開店時間の前倒しや、客の要望があれば平日夜の宴会を土日に変更することなども急きょ検討している。「この数日でいくつもの決断をしなければならない」と嘆いた。

 一方オリオン通りの飲食店店長男性(35)は「年末年始のかき入れ時なのに、どの店も厳しい状況にある。協力金も少なく、今回は従わない店も出てくるだろう」と語った。

 元気寿司(宇都宮市)は宇都宮市内に7店舗を展開している。同社の担当者は「東京、埼玉、千葉、神奈川に緊急事態宣言の発令が調整されていることを受けて対応を検討していた。県の要請についても社内で情報共有をして対応を協議していく」と説明した。

 宇都宮市内に6店舗を構えるレストランチェーンのフライングガーデン(小山市)は「緊急事態宣言の発令が検討されている埼玉県と千葉県にも店舗があり、合わせて対応を検討する。できる範囲で要請には協力する」としている。