力強いメッセージが入った動画が、インターネットを通じ米国から届いた。発信者は関野和寛(せきの・かずひろ)さん。昨秋から病院付きの聖職者、チャプレンとしてコロナと精神科の病棟で働く牧師だ▼孤独と不安、苦しみの中にいるコロナ病棟の患者の手を握って過ごす日々。ある日、折り鶴を手渡すと、涙を流して喜ぶ人がいた▼この出来事がきっかけとなり会員制交流サイト(SNS)で呼び掛けたところ、日本から1万6千もの折り鶴が届く。折り鶴は子どもを含む患者、医療関係者らによって美しく飾られ、希望の象徴として多くの人々の心をなごませた▼関野さんは昨年末、オンラインでのキリスト教イベントで、折り鶴プロジェクトを紹介した。コロナ禍に触れながら「希望を制限することはできない。希望には限界がない。それは私たちの暗闇を照らし出す」と語った▼約20年前、関野さんの妹が生死の境をさまよう重い病気になった時、知り合いの牧師が駆け付けて祈ってくれた。その姿に感激し牧師になった。チャプレンになるために渡米したのも、その体験が根底にある。人生の嵐の中にあっても希望を探しだし、そこに手を伸ばす大切さを訴える▼ロック牧師の顔も持つ。年末のイベントではベース1本、たった一人での弾き語り。響かせようとしたのは、希望の音だったのだろう。