釣り客2万人回復 C&R導入の奥日光・中禅寺湖

 「マス釣りの聖地」と呼ばれる奥日光・中禅寺湖を訪れた今季(4月1日~10月31日)の釣り客数は2万2544人に上り、東京電力福島第1原発事故の影響で魚のキャッチアンドリリース(C&R)が義務化された後で初めて2万人台に回復したことが、12日までに分かった。釣魚として人気のヒメマスが6季ぶりに持ち出し解禁となったことが主な要因とみられる。中禅寺湖漁協の鹿間久雄(しかまひさお)専務理事(67)は「つらかった時期を思い返すと感慨深い。関係者や釣り人に改めて感謝したい」と話している。

 原発事故を巡り国は2012年4月、食品中の放射性セシウムの基準値を従来の1キログラム当たり500ベクレルから同100ベクレルに厳格化。これに伴い中禅寺湖では大半のマス類が基準超となった。中禅寺湖漁協は釣り場運営を続けるためにC&Rを導入したが、11年に2万399人だった釣り客が、12年は7284人に激減した。

 同漁協によると、今季は北海道から九州まで全国から釣り客が訪れた。特にヒメマスに適した「船釣り」券の購入者が前年から倍増したといい、原発事故で離れていた常連客も戻ってきたという。

 豊漁も誘客に影響したとみられる。ヒメマスは資源量の変動が大きいとされるが、今季は同漁協の養殖目的の捕獲量が1万匹を超え過去10年で最多となるなど、「歴史的な当たり年だった」(鹿間理事)。