新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 利用者ら計18人が新型コロナウイルスに感染し、栃木県内19例目のクラスター(感染者集団)が発生した真岡市内のデイサービスの施設長男性(57)が4日、下野新聞社の取材に応じた。日替わりで来所する利用者への対応など感染防止対策の難しさを挙げ「十分やっているつもりだった。これ以上どう対策すればよいのか」と現場の苦悩を吐露した。

 施設は利用者が約70人、職員が22人。1日当たり25人ほどの高齢者を送迎し、入浴介助やリハビリなどのサービスを提供している。

 12月30日に利用者1人の陽性が判明。1月4日までに利用者計9人、職員5人、その家族ら4人が感染した。デイサービス施設のクラスターは県内初。施設長は「頭を下げることしかできない。特に利用者には不便さを与えてしまった」と肩を落とす。

 高齢者施設の運営者として、対策を徹底してきたはずだった。送迎車への乗車時や施設への来所時、施設内の移動時など、こまめに手指を消毒した。昨年末からは、首都圏在住者との接触を事前申告した利用者に、来所を一定期間控えるよう求めていた。

 一方、デイサービス事業ならではの悩みもある。「利用者は毎日入れ替わるほか、来所前後の健康状態や行動内容は分からない」といい、普段の生活の把握には限界があると明かす。

 県からは入浴介助時のマスクなどの未着用を指摘されたが「入浴中のマスクは息苦しく、フェースシールドはぶつかったり、視界が悪かったりして危ない」と説明した。

 職員共用の机の消毒が不十分との指摘もあった。ただ書類が多い机上のこまめな消毒は現実的ではないといい、「どうすればよいのか、より明確に説明してほしい」と訴えた。