本県は全国でも有数の農業県である。だが、農業人口の減少はその足元を崩しかねない。2000年の約31万人から、15年には半減した▼水路やあぜ道などの管理は地域全体での対応が必要で、担い手が減り続ければ農村が維持できない。先ごろ視察した鹿沼市北部の板荷(いたが)4区自治会の取り組みは、解決策のヒントになるかもしれない▼全54世帯のうち農家は26戸と少なく大半が兼業。ほ場整備が未実施で、耕作放棄地の増大など地域の将来に大きな不安を抱えていた。そこで、農業者だけでなく地域全体で話し合いを重ね、08年に活動組織「板荷畑(ばた)いつくし美会(みかい)」を立ち上げた▼住民全員にアンケートを行い、活動への要望や後継者に関する悩みなどを吸い上げたことが功を奏した。一体感が生まれ、草刈り隊や農産物の無人直売所、休耕地を利用したマカの契約栽培などの活動が始まった▼最近では集落営農を研究する部会が立ち上がったりしている。代表の福田明(ふくだあきら)さん(61)は「現在、中核を担っているのは50~60代。次の世代に『行動すれば地域が変わる』ことを伝えていきたい」と話す▼昨年11月末に農林水産省が公表した最新の「農林業センサス」によると、本県の農業従事者の平均年齢は67歳を超え、高齢化と減少に歯止めがかからない。農村を守る踏ん張りどころである。