日本人のチーズ消費量はヨーロッパ諸国と比較すると10分の1程度。ただ消費が伸び悩む牛乳とは対照的に、その量は年々増えている。ピザやケーキといった料理にチーズを使う習慣が定着したためと考えられている▼先ごろ「那須ナチュラルチーズ研究会」(落合一彦(おちあいかずひこ)会長)が、宇都宮市内のレストランで開いた「那須のチーズを楽しむ会」に足を運んだ。モッツァレラ、カマンベールなど種類の豊かさに目を奪われた▼落合会長は国の研究機関で畜産関係の研究員をしていた。研修でフランスを訪れた際にチーズのおいしさに衝撃を受け、自宅で作るのが趣味になった。道楽が高じて定年後、那須塩原市の空き家を借りて生産に乗り出した▼「チーズ工房那須の森」というブランドで、那須地域でも少数しか飼われていないブラウンスイスの牛乳を使っているのがこだわりという。塩分を控えめにして、日本人に好まれる味を追求している▼研究会は2012年に発足。五つのチーズ工房が中心で、人の交流を通して製造技術の向上などを目指している。全国規模のコンテストでの入賞も多く、那須の風土を生かした味の評判は高い▼本県の生乳生産量は北海道に次いで全国2位。本州では1位である。那須ブランドのチーズ生産がさらに盛んになって、地域の元気につながればいい。