暮れも押し詰まって新型コロナの警戒度が最高レベルに引き上げられた。記者会見で福田富一(ふくだとみかず)知事が不要不急の外出自粛要請を発表した際、初詣は不要なのか、と同僚と話題になった▼案の定、記者席から質問が出て、知事は「どうしても行く人は混雑を避けて」と回答。さすがに年始の習わしは止められず、配慮ある行動を求めるのが精いっぱいだったということか▼大みそかの宇都宮二荒山神社周辺は、思ったより人が出ている印象だった。それでも露店の女性は「全然少ない。困ったものです」と口調はさえない。分散参拝で何とか売り上げが伸びるといいのだが▼年が明けた1日午前0時、神社前の広場には誘導路に沿って、350人ほどが列を作っていた。4人ほどずつが地面に引かれた白線通りにソーシャルディスタンスを確保して。まさに整然とである▼対照的に誘導路周辺のベンチや交差点に目を移すと、若者たちがカウントダウンで大声を張り上げ、「あけおめー」と抱き合っていた。密集、密接のるつぼだ。マスクなしの姿も見掛けた。彼ら、彼女らから感染が広がらないことを願った▼現代人が経験したことのない年明けである。感染防止へ決意を新たにするくらいの気構えがあってもいい。そう思いながら参拝を後日回しにした。神様も大目に見てくれるだろう。