今回で最後となった原老師の大みそかの読経

 【大田原】臨済宗妙心寺派の名刹(めいさつ)雲巌寺の住職原宗明(はらそうみょう)老師(76)が30年にわたり大みそかに行ってきた新年の読経が1日未明、無事終了した。老齢のため、今回が最後。原老師らがお経を唱える中、参拝者たちは順番に除夜の鐘を突き、月明かりに照らされた境内には読経の声と鐘の音が厳かに鳴り響いた。

 読経は31日午後11時50分から1時間ほど仏殿で執り行われた。まず原老師は新年のあいさつとして恒例の自作の七言絶句を詠み、漢詩を通して「水の流れのように歳月が移って老齢となり、さまざま事に疎くなってきたため、世間を背にして眠りにつく」という最後の読経への思いを表現した。

 その後、僧侶の秦岡高憲(はたおかこうけん)さん(36)、政輝禅静(まさきぜんじょう)さん(75)と3人でお経を唱えた。読経が響く中、檀家(だんか)や地域住民ら参拝者は除夜の鐘を突いたり、仏殿に参拝したりし、良い一年を迎えられるよう祈願していた。

 最後の読経を終えた原老師は「30年が一つの区切り。老齢なので、くたびれた。これで一段落。次からは、後継者の高憲さんに任せたい」と笑顔を見せていた。

 同寺の座禅会にも参加している城山1丁目、自営業松本寿広(まつもととしひろ)さん(71)は「新型コロナウイルスが収束して良い年になるよう除夜の鐘を突いた。老師様の最後の読経だったので胸が熱くなった。本当にご苦労さまでした」と感謝していた。