2021年、新しい年が明けた。「今年こそ良い年になりますように」。いつにも増して、年初に祈る願いは強い▼昨年の子(ね)年は十二支の始まりの干支(えと)で、新たなサイクルのスタートの象徴といわれる。「新」が、新型コロナウイルスや新しい生活様式のことだったとは思いもしなかった▼昨年は目に見えない、人の手でコントロールできない未知の敵に振り回された一年だった。そのコロナ禍から抜け出せず、収束も見通せないまま迎えた今年は「丑(うし)年」である▼牛は、令和の元号でも話題になった太宰府天満宮(福岡県)が鎮座する由来とされたり、「牛に引かれて善光寺参り」と言い伝えられたりする。海外にも神聖視する宗教がある。一方、本州トップの酪農県であり、おいしいとちぎ和牛を生産する本県には日常レベルでなじみが深い動物である▼干支の「丑」は、早急に結果を求めるのではなく、目標に向けて基礎を築いていく時期ともいわれる。まさに「牛歩」である。ただ、歩みは着実であり、誠実であることを肝に銘じ一年を過ごしたい▼ゆったり、のんびりしたイメージは強い牛だが、突進を始めれば速く力強い。コロナ対策しかり、身の回りには、そうした力が求められることはたくさんある。明るい年にするために、われわれも内に秘めた力を存分に発揮しよう。