父親たちが作ったおにぎりを選ぶ児童ら。普段はおにぎりとみそ汁を提供する=21日午前7時55分、那須塩原市関谷

わかめご飯でおにぎりを作るお父さんたち。普段はおにぎりとみそ汁を提供する=21日午前7時半、那須塩原市関谷

手作りのカレーライスをよそう父親たち=14日7時35分、那須塩原市関谷

お父さんたちが作ったカレーライスをほおばる児童ら=14日7時50分、那須塩原市関谷

父親たちが作ったおにぎりを選ぶ児童ら。普段はおにぎりとみそ汁を提供する=21日午前7時55分、那須塩原市関谷 わかめご飯でおにぎりを作るお父さんたち。普段はおにぎりとみそ汁を提供する=21日午前7時半、那須塩原市関谷 手作りのカレーライスをよそう父親たち=14日7時35分、那須塩原市関谷 お父さんたちが作ったカレーライスをほおばる児童ら=14日7時50分、那須塩原市関谷

 毎週月曜日、子どもたちに父親らが無償で朝食を振る舞う「朝ごはんプロジェクト」が、栃木県那須塩原市の関谷小で続いている。学校から「朝ご飯を食べずに登校する児童がいる」という相談を受けた同校PTA役員らが11月中旬に始めた。新型コロナウイルスの影響で失われていた児童と関わる機会にもなっており、出勤前の父親たちは仕事着の上に給食着をまとい、腕を振るって食事と笑顔を届けている。

 12月14日午前6時半、同校の家庭科室に児童の父親6人の姿があった。包丁にも慣れた様子で食材を刻む。この日のメインはクリスマスの特別メニューのカレーだ。

 「どんどんおかわりしろよ」。父親らが配膳する横で、カレーを味わう児童は皆うれしそう。4年川原田花梨(かわらだかりん)さん(10)は「友だちと食べるのが楽しい。お父さんたちにありがとうと伝えたい」と話す。

 きっかけは11月上旬、山本幸子(やまもとさちこ)校長(55)がPTA会長の鈴木直幸(すずきなおゆき)さん(46)に話した、「朝元気が無い子を見かけることがある」というひと言だ。

 鈴木さんはすぐにPTA臨時総務会を開き、同プロジェクトを企画した。「新型コロナで学校行事が縮小する中、子どものために何かできないかと考えていた。多くの人が活動に前向きだった」。朝忙しい母親に代わり、父親たちが役割を担い、企画立案からわずか1週間で準備が整った。

 賛同の輪は地域にも広がる。父親たちの直談判を受けた「道の駅湯の香しおばら」を運営する「アグリパル塩原」は炊飯器やずんどう鍋を貸し出し、野菜も毎週寄付。保護者らからも、米などが届けられている。

 「朝ご飯」はすでに6回提供され、全校児童137人のうち毎回8割ほどが利用している。鈴木さんは「朝食を食べることで体内時計が整えられ、元気になると体感してもらいたい」と話し、山本校長も「食べる楽しさを知る場所にもなってほしい」と期待する。

 来年以降も活動を続ける予定で、学校、保護者、地域の連携の中で子どもを育んでいく考えだ。「コロナ禍だけれど、少しでも明るい思い出として残ってもらえれば」と、鈴木さんは語る。「『家で朝ご飯を食べてきたからいらないよ』と言われるまで続けたい」