年末年始も24時間命と向き合う特別養護老人ホームの職員ら=12月中旬、市貝町続谷

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中で迎える年末年始。県内の医療提供体制は逼迫(ひっぱく)し、「県医療危機警報」が初めて発令される事態に、病院や社会福祉施設からは緊張感が漂う。それでも24時間365日命と向き合う現場は、使命を果たそうと奔走している。

 「いつでも」「どこでも」「だれでも」-。那須塩原市大黒町の菅間記念病院は、このモットーを掲げ年末年始も従来通り急病者への診療を行う。「休日に病院を開けるのは負担もあるが、県北地域の医療を守るという使命がある」。同病院の藍原隆(あいはらたかし)事務長は強調する。

 県の依頼を受けた協力医療機関として、最大25床で新型コロナ患者を受け入れている。「いつ収束するのか分からないのがネック。医師や看護師らは使命感だけで頑張っている」と明かす。

 今年のゴールデンウイークは緊急事態宣言中で人の往来が少なかったこともあり、例年に比べ病院に訪れる人は極めて少なかったという。ただ今冬は各地で感染が拡大しており、「年末年始は正直読めない。最悪の事態に備えた対応を組んでいる」と話す。

 むしろ危惧するのは、患者が受診を控えることだ。「我慢せずに診療に来てほしい」と訴えた。

 「24時間365日、入所者の命と向き合う仕事。使命感とさらなる緊張感を持って対応していく」。約80人が入所する市貝町続谷の特別養護老人ホーム「杉の樹園」の倉持久美子(くらもちくみこ)施設長(48)は年末年始を見据え、力強く語る。

 施設内は換気や消毒に加え、新たに導入した機器で二酸化炭素濃度を小まめに測定し密状態を防ぐ。利用者と家族の面会は玄関の窓越しに携帯電話での通話とするなど、「考えられる限りの先手先手の感染対策」に心血を注いでいる。

 一方で年末年始に向けて緊張感も高まる。職員約70人のうち8割が子育て世代。学校は冬休み期間に入り、夜勤の人繰りなどは「出られる人で踏ん張るしかない」。医療体制が手薄となることも想定され、職員には冠婚葬祭や外食などを極力控えるよう求める。

 我慢と緊張を強いられる現場だが、「『医療介護従事者は頑張ってくれている』という世の中の声に励まされる」という。「入所者は今の日本をつくった先輩方。職員は責任感を持って働いている」と力を込めた。