記者会見で「特定警戒」への引き上げなどについて説明する福田知事=29日午後7時10分、県庁

 栃木県と宇都宮市は29日、県内で1日当たり最多の計83人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。これを受け、県は対策本部会議を開き「医療提供体制の深刻な機能不全を招くリスクが高い」として、県の警戒度を4段階で最高の「特定警戒」に引き上げることを決めた。期間は30日~来年1月11日で、新型コロナ特措法に基づき、県民には不要不急の外出を自粛するよう求める。

 1日当たりの発表数の最多は26日の42人だったが、この約2倍となった。29日に確認された83人のうち、39人は鹿沼市の鹿沼病院の入院患者と医療従事者で、県は県内16例目のクラスター(感染者集団)に認定した。県内の医療機関でクラスターが発生するのは初めて。

 県内の感染者数は12月以降、699人に上っている。直近1週間の新規感染者数は過去最多の264人、1週間の感染経路不明割合は50.9%、確保病床数・宿泊療養室数に対する療養者数の割合は62.1%で、三つの指標がいずれも「特定警戒」の基準を超えた。

 県は11月24日に警戒度を上から2番目の「感染厳重注意」としたが、約1カ月で最高レベルに引き上げる。飲食店や遊興施設などに営業時間短縮や休業要請は行わないが、県民には仕事や生活に必要な場合を除いた外出の自粛を求める。事業所に対しては感染防止策の徹底を改めて求めている。

 対策本部会議後の臨時記者会見で、福田富一(ふくだとみかず)知事は「感染拡大が続き、病床の逼迫(ひっぱく)リスクが高まるなど危機的状況がさらに進んでいる。私たちの行動が医療を守ることにつながる。感染拡大を食い止めるための正念場であり、協力をお願いしたい」と呼び掛けた。