コンテナに新たな価値

 

 2011年3月11日に発生した東日本大震災。真っ先に支援に赴いた被災地の一つ、宮城県女川町の惨状。呆然と立ちすくむ被災者の姿、がれきの山を目の当たりにし、「困っている人を助ける仕事をしよう」と決意。同年8月に創業した。以来、被災地での体験から、産業廃棄物処理を軸とする環境事業部、コンテナハウスの製作販売から建物の解体、リフォーム、住宅のごみの片付け、遺品整理までワンストップで対応する建築事業部を立ち上げた。

 期限が迫るPCB(ポリ塩化ビフェニール)廃棄物処理事業、空き家や空き地に目を向けたまちづくり事業、宇都宮市の魅力発信事業など、柔軟な発想で「課題解決」に挑み、業績を伸ばしている。新型コロナ禍の昨年7月、同社が寄贈し宇都宮市夜間休日救急診療所に設置された「モバイルクリニック」は注目を集めた。新型コロナで中国・武漢に「東日本大震災で支援を受けたお礼に」とコンテナにマスクを積んで送ろうと考えたのがきっかけだった。

 飲食店や美容室、コインランドリーなどで実績を残すコンテナ事業をさらに発展させるため、狭小地でも現地で組み立て設置できる建築用オリジナルコンテナも開発し、特許も取得した。「コロナ後を見据え、少人数でどれだけ売り上げ、収益を出せるかを課題に、コンテナをプラットフォームに事業の多角化を図りたい」。通信、交通、農業など、廃棄物処理事業で手を組んだ大手企業などとのプロジェクトが15近く進行中だ。例えば農業関連では、コンテナ内でのキクラゲの栽培事業が具体化。300基を受注した。

 リサイクル、2次活用も考えて海外展開も視野に入れるコンテナ活用のアイデアは広がるばかり。創業10年を迎える今年は需要の拡大を見越し、県南に自社によるコンテナ製造工場の建設を具体化させる。「仲間とともに価値を生み出し、世界に感動を届ける」。新たに策定した理念で、次の10年のスタートを切る。