世界を見据えて事業展開

 

 「クレラップ」で親しまれるクレハのグループ企業で、プラスチックを原料とした多彩な繊維製品の製造販売と、射出成形品の製造販売を事業の二本柱に据えている。繊維関連では、レジャー用釣り糸「シーガー」が主力商品。国内だけでなく世界的ブランドとして釣りファンにはおなじみだ。漁網用糸やマグロ用釣り糸なども手掛ける。射出成形品では、自社製の繊維と射出成形技術を融合させたインサート成形品を製造し、機械部品メーカーに提供する。

 釣り糸業界は、新型コロナウイルス感染症拡大を回避したアウトドア志向で順調に伸びた。

 「当社の販売も好調です。ただ、業界としては一過性のブームに終わらせない取り組みを模索中です」

 射出成形品は最終的には半導体や工作機械が市場となるため、コロナ不況で悪化は避けられなかった。「グローバルでの景気回復感もあり、昨年秋ごろからは回復の兆しが見えてきました」。クレハの家庭用品ブランド「キチントさん」シリーズの製造も担っており、これは“巣ごもり需要”で伸長した。

 今年は釣り糸関連の製造部門で省力化の新規設備が稼働する。働き手不足を見据えてのロボット化だが、生産能力も向上するため、好調な需要に応える体制を固めて海外市場への展開も加速させたいとする。

 「また、シーガーは発売50周年を迎えます。各種のキャンペーンを実施して、国内外のお客様に感謝の気持ちを伝えたいと思っています」

 成形品は5GやAI、IoTなどの技術革新に伴い、21年は伸びると分析。「キチントさん」シリーズでの新たな市場開拓も目指している。

 「社員が誇りを持ってものづくりができる環境をしっかり整えたい」。教育制度を体系的にまとめ直す作業にも着手する。今年で創業58年。地元の社員も数多い。世界を視野に入れた事業拡大を図り、育ててくれた地域に恩返しすることを目指す。