「熟成」した技術で「飛躍」

 

 映像撮影をはじめ、さまざまな分野で実用化が進む「ドローン」(小型無人機)の機体の設計・製造、販売からオペレーター育成まで一括して手掛けている。創業12年目を迎え、「ドローンと言えばNSi真岡」という確固たる地位を築いているが、決してそこで立ち止まってはいない。

 昨年11月、農家が自前のトラクターや田植え機に電動ハンドルとコントローラーなどを装着するだけで自動運転による高精度な直線走行が可能になる「農機スマート操縦システム」の販売を開始した。同システムにはドローンの技術が生かされており、「農機を真っすぐ走らせることができれば作業効率が格段に向上しますし、新規就農へのハードルも確実に下がる。今後のアップデートにより、運転のサポートだけでなく、肥料などの管理にも応用できるので、農家の皆さんにワクワクしていただきたいですね」と柔らかな笑みを浮かべる。

 そもそもドローンの仕事に携わるきっかけの一つに「農家の仕事の負担を軽減し、効率化したい」との思いがあった。同社と別に2017年に農業分野に特化した「ジャパン アグリ サービス」を立ち上げ、農機の自動運転システムの研究を重ねてきたのも「農家の長男だし、田んぼの真ん中で育ってきました」という「農業愛」のたまものだ。
 一方、ドローンの仕事は新型コロナウイルスの影響で多くが延期に。そんな中でも昨年8月、宮崎県の森林組合と共同で実施した森林資源調査では、ドローンによって森をマッピングし、AI(人工知能)が木の大きさ、本数、資産価値などをデータ化。人力では約4千人が必要とされる作業をわずか数日間で完了させ、ドローン技術の進化をまざまざと見せつけた。

 「昨年は、それまでの10年間の技術を『熟成』させる年でした。今年はそれを実用化し、社会に役立てる『飛躍』の一年になります」