バリアブル印刷で新提案

 

 「DX(デジタルトランスフォーメーション)とSDGs(持続可能な開発目標)を今年のテーマと位置付けています」。昨年から着々と準備してきたデジタル化に突入する一年になる。既に採択が決定したIT導入補助金に加え、今年はものづくり補助金にも挑戦。この二つの制度を活用し、本社、平出、白沢の3工場をVPN(バーチャルプライベートネットワーク)で結び、仕事の流れを可視化していく構えだ。「印刷需要の減少が続く中で、効率を上げて利益を出すことに取り組んでいきます」。同社が発行する冊子「しもつけの心」も内容を少しずつ見直し、SDGsに取り組む企業や人々を積極的に取り上げるようになった。

 昨年は新しい印刷機「Jet Press 750S」を県内初導入。B2ポスター1枚から印刷可能な上、仕上がりの美しさが特長。コロナ禍でスポーツ観戦には入場制限が掛かるため、県内スポーツチームに、観客席にサポーターの写真を印刷したボードの設置を提案。あたかもスタンドにサポーターが座っているかのような演出をした。元々はサポーターの“応援する気持ち”を選手に伝えることが目的だったが、試合ではスタジアムが活気あるものとなり、チームからも大変好評だったという。「印刷は小ロット、バリアブルに向かっています。私たちは小回りが利く企業であること、1枚でも速くきれいに印刷できる技術を求められていると認識しています」

 昨年10月、「観光の街」宇都宮市大谷町の活性化のため、「そば倶楽部 稲荷山」をオープン。3年前には文化芸術の発信と街中の活性化を目的に「カフェ インクブルー」を開業しており、地域貢献型飲食事業はこれで2店舗目となる。「印刷は情報化産業であると同時に文化産業だと思っています。コロナ禍が収束したら、かつて“遊楽園”と呼ばれた大谷稲荷山の地が、再び憩いの場となるよう伝統文化を伝えるイベントなども実施したいと思います」