海外での事業スタート

 

 開口一番「コロナ禍で、教育は社会のインフラだと実感した年でしたね」と語る。キッズコーポレーションは全国で220余の保育施設を運営しているが、その9割が病院内・企業内にある。子どもを預けて医療現場などで忙しく働く人々を支える、まさに縁の下の力持ち。「病院、そして医療人を支える私たちは、園を休むわけにはいかない。現場の保育士は、みんな使命感を持って働いています」と胸を張る。保育園をサポートする本社はテレワークが増えたことで、スタッフはパフォーマンスさえ出せれば働き方、働く場所を選べる自由を手にすることになった。また、保育士向けのマニュアルをネット上で公開。研修会に集まらなくても、動画を見て自分のペースで学べるシステムを整えた。デジタルトランスフォーメーション(DX)の波にも乗っていきたいと考えている。

 「われわれは子どもの人間力を育てる、子ども主体の保育を基本理念に掲げています。教えることよりも、子どもが自ら学ぶこと、そのために育ちを見守って待つこと。子どもの自己肯定感を高め、やる気を引き出す保育手法がますます必要とされています」。AI(人工知能)の進歩により、人間ならではの想像力、創造力が求められる。質の高い幼児教育を受けられたかどうかで、将来に大きな影響が出る、と熱く語る。

 昨年9月にはシンガポールに進出した。日本人駐在員向け、100人規模の幼稚園をM&Aで取得し、自社のメソッドで運営。中国の古都・西安で中国人を対象にした保育園もスタートした。一昨年に続き昨年も中国の幼児教育関係者からオファーがあり講演会を開いたところ、6299人が視聴、大反響だった。「中国は急速に経済発展してきましたが、いまだに幼児教育は画一的。今までの保育理念や方法をまとめた書籍『キッズアプローチ』を日本と中国で出版しました。この保育を世界に広めていきたい」と語る。