無線通信技術で安全守る

 

 情報通信無線システムを軸にして、ダムの管理制御システム、防災情報システム(水位計・雨量計・監視カメラ)、消防・防災行政無線など、幅広い施設の設備設計、施工管理を手掛ける。県内各地のダムや河川など公共施設が8割を占めている。2019年に創業50周年を迎えた。「お客様のニーズを受け止め、さまざまな仕組みを組み合わせながら、オリジナルのシステムを提案させていただいてきた結果だと思います」と、地域の安全を守りながら進化し続けてきた歴史を振り返る。

 タクシーなどの業務用無線を扱う関東電子が前身。上𠮷原氏は、宇都宮電子と改称した同社に1975年に技術職として入社した。趣味だったアマチュア無線が取り持った縁だった。技術職を務めた後、営業職へ転身する。仕事の中で特に記憶に残っているのが、98年の那須集中豪雨だ。電話や携帯電話が不通となる中、社内の無線機を集めて旧黒磯市の現場に送り込み、避難所と市役所を無線で結ぶ体制をつくり上げた。災害時でも安定した通信が確保できる無線通信の威力を再認識した出来事だった。

 タクシー無線の時代から、緊急時には直ちに駆け付けて対応することを徹底している。「有事の際に一番心強いのは人のつながり」と語り、その積み重ねがあって今があるとする。それだけに人材育成には心を砕く。電気通信工事施工管理技士など必要な資格は多岐にわたり、社内には有資格者も増えた。

 今後、高速通信網「5G」の普及が進むと見込まれるが、「そうした新しい技術をこれまでの実績と組み合わせ、さらに新たな提案を行っていきたい」と、新しい時代への対応を見据える。国土交通省令の規定に基づき算出される「建設工事 経営規模等評価 結果総合評定値」が20年に目標だった1000ポイントを超えて1023ポイントを獲得。「さらに人材が育ってくれば、まだまだ伸びしろはあります」と力を込める。