理想や願望を確かな形に

 

 時代や社会の変化は、人々の理想や願望を形にする建築物に大きな影響を与える。昨年、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大という大きな変化を受け、安全で安心な居住空間を求める声が高まるのは当然のことだ。そうした社会のニーズに応えるべく、いち早く「施設内感染予防を徹底した医療クリニック」の建築設計に取り組んでいる。その一つが今年秋、宇都宮市のニュータウン「ゆいの杜」内にオープンする予定だ。

 「クリニック内をエリア分けし、さらに一部を個室化して換気や減菌が効果的に図れるような設計にしています。ウィズコロナの時代の医療施設には、院内感染予防の意識がより強く求められますから」

 クライアントの多種多様なニーズに徹底して寄り添う姿勢と「檜山ならでは」と称される斬新な発想が生かされているのは、専門分野の医療施設だけではない。2018年の東京進出を契機としてホテルや複合ビルなどビッグプロジェクトの依頼が増えており、その高いハードルを越えていくことで実績を積み上げてきた。今年は、プロジェクトメンバーとして参加した東京都目黒区の複合ビルが5月に完成するほか、設計を手掛けた京都市内のカジュアルホテルが10月に着工する予定だ。「今の時代にふさわしく、複合ビルは緑の中にありシェアワークできるオフィス、カジュアルホテルはビジネスホテルに観光客の交流の場となる要素を加え、E(EAT)W(WORK)P(PLAY)のデザイン性と充実に心を砕きました」と、楽しそうに説明する。「今年は建築設計だけでなく、新たな需要を掘り起こしたいと考えています。詳しいことはまだ言えませんが、観光業に関することと、働く家族を応援するような事業を思い描いています」

 現状にとどまらず常に新たな「檜山ならでは」を追求する姿勢が、今年も人々の理想や願望を確かな形に変えることだろう。