多様な商品を安定生産

 

 梓の森工場から送り出される商品は、ウイスキー、カジュアルワイン、RTD(レディ・トゥ・ドリンク=缶チューハイなどすぐ飲めるアルコール飲料)を含めて約500種類にも上る。そのうち新商品が約200品目を占める。「限定品として楽しんでもらう商品も多く、サントリー全体の工場の中でも、これが当工場の大きな特徴になっています」と語る。

 工場長に就任してから1年。新型コロナウイルス感染症が広がる中での工場運営となったが、「確かに業務用は影響を受けました。その半面、“家飲み”の家庭向け需要が伸び、しっかりと生産活動を続けることができました」。生活に密着した製品をしっかり届ける重要性を再認識したと振り返る。

 今年も家庭用需要の伸びは続くと見て、生産を続けながら多様な製品生産に対応できるよう設備の増強に力を入れる。若い社員が増え、技術伝承も課題となるが、価格低下で導入しやすくなったIoTなどを活用して、機械ができるところは機械に任せるなどしながら、人材の有効活用を図る構えだ。

 「小ロットの安定生産を確保することが何より大切。24時間の生産体制の中で、これまでも負荷を減らす努力をしてきましたが、さらに一段、働きやすい環境づくりにみんなで取り組もうと呼び掛けています」。ビーム サントリーなど海外のグループ会社との交流の中で技術力の高さが再認識され、人材の送り出しも進んでいる。

 長い間、容器など包材開発に携わってきただけに、環境問題には敏感だ。環境への関心の高まりがこれほど早いスピードで展開するとは想像できなかったという。

 「水源涵養(かんよう)の森づくりなど従来からやってきた取り組みに加え、パッケージも注目されるようになり、今後を見通した事業がやりやすくなったことをうれしく思います」と期待を寄せた。