ポストコロナの病院経営

 

 全国91の赤十字病院の中で最も安定した病院経営を誇る。「断らない医療」を実践してコロナ禍でも感染患者を受け入れ、医療現場の信頼を守り抜いてきた。「10年前にこの病院を建てた時から、感染症というのは必ず来ると考えていました。これまで結核などの感染症は隔離病棟で診察されてきましたが、本院は全室個室であり、感染症の入院患者も病室で診察をするモデル病床となりました」

 新型コロナウイルス感染の重症患者に対応する専用病床5室、疑いや軽症患者のための病室12室はすべて前室付きの陰圧室であるなど万全の対策で医療が提供される。「これが今後のあるべき病院のスタイルです。コロナについてもいろいろなことが分かってきました。『コロナに強い病院』のパイオニアとして病院経営のあり方を示していきたい。コロナはあと2、3年は続くと思われ、病院にはポストコロナの新しい病院経営を考えていく必要があります」と力を込める。

 今年は病院の国際的な医療機能評価機構JCI(ジョイント・コミッション・インターナショナル)の認証の更新(2回目)の年であり準備を進める。アジア病院連盟会長として5月には医療の国際化をテーマにアジア病院連盟の学会を日光で開催する予定も控え、多忙を極める。

 同病院はオール電化で、ガス、ボイラーを使わず、地下からの井水(せいすい)の熱利用ヒートポンプ・蓄熱システムを使って熱勾配からエネルギーが効率的に作られている。「考えうる限りの省エネ、省二酸化炭素(CO2)の施策を行っており、病院全体では年間4300トンのCO2を減らしています。今年は太陽光発電のソーラーカーポートを作り、雨の日にはその下に駐車できて、災害時はここでトリアージができるようにします。病院も環境を考える時代にきています」。省エネ、省CO2への取り組みを発信して次世代型グリーンホスピタルの実現を図っていく。