デジタル化で飛躍図る

 

 昨年11月、宇都宮証券の前身の宇都宮信託合資会社の設立から数えて110周年を迎えた。取引口座数、預かり残高ともに順調に推移した年でもあった。「顧客第一主義を掲げて、地元のお客様を大切にしてきた先輩たちの努力を基礎に、栃木銀行、東海東京フィナンシャル・ホールディングスとの合弁会社となった相乗効果が出ているといえます。『不易流行』の言葉の通り、地場の企業としての伝統を守りつつ、新しい流れにも的確に対応してきた結果だと思っています」と確かな手応えを語る。

 2017年4月、栃木銀行一筋の銀行マンから社長に着任した。証券の業界に入って、視野が世界的に大きく広がったと振り返る。そこで痛感するのがデジタル化の遅れだという。これに対応するため、今年はインターネット関連のシステム投資に力を入れる。4月からはスマートフォンで照会ができるようにし、6月からは取引も可能にする。「システムの充実には、当然コストがかかりますが、収益基盤が整ってきましたので、次のステップに進む時だと思っています」

 併せて新たな時代に向けての人材育成にも力を入れていく。「これからの証券マンは、資産運用に関するしっかりとしたコンサルティングができるスキルを身に付けていなければなりません」と強調。若い世代に期待を寄せる。自己研さんの教育システムを積極的に導入し、さらに、栃木銀行や東海東京アカデミーなどのノウハウを活用して人づくりを進めている。「当社は親会社がしっかりしていますので、その点、大変ありがたく思っています」と恵まれた環境を語る。

 110周年を記念してエコバッグを作って配布した。自身もカバンの中に入れて常に持ち歩いている。「投資の世界では『ESG(環境・社会・ガバナンス)』が重視されています。当社も持続可能な社会づくりに向けて取り組みを進めていきます」と決意を語った。