洋上風力発電研究で注目

 

 他大学に先駆けて取り組んでいる再生可能エネルギーの研究に注目が集まっている。世界で「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成が大きな流れの中、菅(すが)義偉(よしひで)首相は昨年10月の所信表明演説で、「二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」と表明。政府は「グリーン成長戦略」の実行計画をまとめ、洋上風力発電や水素利用など重点分野で、2050年までの取り組みや目標を掲げた。同大の自然エネルギーコースは風力をはじめ、太陽光、小水力、バイオマス、波力などの専門家が集まる。理事長は風力発電研究の世界的権威。「海に囲まれた日本の有望な再生可能エネルギー、洋上風力発電は温暖化防止の最有力手段です」

 洋上風力発電は、30年に発電容量1千万キロワット(原発10基相当)を達成すれば、経済波及効果は15兆円に達し、40年には4500万キロワット(45基相当)との試算がある。部品点数は約2万点。国内に基幹部品を手掛けるメーカーはないが、海なし県栃木には海底ケーブルの古河電工、風車用高性能部品の製造経験を持つスバルなど関連産業がある。育成が急務な技術者について、20年以上、日本最大の風力セミナーを開いてきた同大は、風力発電の最先進国デンマークの工科大学と連携し研究開発、人材育成の準備を進めている。大学院に風力発電に特化したコース新設を検討している。「県の環境立県戦略会議の座長を務めた者として、県内の環境関連産業の育成、洋上風力発電の重要部品供給県として名乗りを上げたい」と話した。

 世界から留学生(現在20カ国275人)を受け入れ、途上国の無電化村落で自然エネルギーを活用した電化支援や、地場産業との連携、出前市民講座など、「大学の知的財産を地域に還元する」理念を実践する同大。「今後もコロナ禍でリモート授業を余儀なくされている学生、留学生に寄り添い、『学びの継続』に力を入れていきたい」