広域営業の推進目指す

 

 設計・監理を行った宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎ(県総合運動公園陸上競技場)が昨年4月に完成した。「すばらしい経験ができました」と感慨深げだ。同10月には県マロニエ建築優良賞を受賞した。

 建築業界も新型コロナウイルス感染拡大に左右された一年となった。「緊急事態宣言発令後は、大幅に業務を見直しました」と振り返る。海外を含めた外部とのやりとりの多くをウェブ化し、リモートワークへの転換も進めた。

 ただ業界ではコロナ禍以前から、大手を中心に働き方改革の一環でリモートワークが取り入れられていたことや、3次元ソフトBIMへの移行が進んでいたことが奏功したという。「3次元ソフトBIMならば、作図担当者は自宅でも作業ができます」と説明する。

 各種イベントが中止、延期を余儀なくされる中、建築を志す若者がプレゼンする昨年12月のとちぎ建築プロジェクトは、リモート参加による開催が実現した。県建築士事務所協会長として自身も審査員を務めた。「大きなイベントを止めなかったことに価値があった」

 新型コロナは結果として、仕事の在り方を大きく見直す契機となった。ウェブ化、リモート化の経験も踏まえ、2021年は全国をエリアとした「広域営業」の取り組みをさらに進めていく考えだ。「今までは『足で稼ぐ』というイメージが強かったのですが、リモート化により距離感の概念が変わりました。変化に的確に対応することが求められます」と強調する。

 昨年6月まで2年間、日本建築士事務所協会連合会(日事連)の会長を務めた。建築士法改正の際は1年間で80人以上の国会議員に会うなど、多忙な日々を送った。「やっと肩の荷が下りました」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。

 現在は日事連名誉会長として、引き続き業界のメッセージを発信している。