次の50年構想練る機会に

 

 昨年の新型コロナウイルス感染拡大により、医療だけでなく社会経済上の課題がクローズアップされたと受け止める。「本学でも授業、実習、学生の生活、さらに地域医療のあり方にも大きな変革が起こりました。そうした現実を受け入れ、ウィズコロナ社会の中で基本を守りつつ、新しい時代に立ち向かっていく必要があります」と気持ちを新たにする。

 同大は、医療に恵まれないへき地における医療の確保・向上と、地域住民の健康増進を図るという使命を帯びている。医師国家試験の合格率は8年連続で全国トップの好成績を残しており、「学生が一人前の医療者として育つようしっかりとした教育を行うことが基本。これからも100%の合格率を目指していきます」と力を込める。コロナ禍で導入を迫られたオンライン講義について「全国的にレベルの高いシステムを作ることができ、臨床実習や地域医療実習の一部もオンラインで対応可能」と自信をのぞかせる一方で「総合的診察、多職種協働、地域文化の学習、施設外ケアの学習、さらに地域実習から生まれる感性と自覚などを、今後どのように補習していくか」と、ウィズコロナでの教育の課題を挙げる。

 また、コロナ感染対策における「データを収集して戦略を立てる方策の遅れ」を指摘した上で、大学の研究についても「最近はビッグデータから法則性を見つけたり、研究の仮説を生み出す研究が盛んになってきました。分野横断的融合研究の重要性も叫ばれており、情報を活用して研究領域を拡大していくことが求められます」と語る。

 同大は来年、創立50周年の節目を迎える。「どのような時代であれ、しっかりとした教育と研究、質の高い医療を行い、それぞれの立場から情報を発信すること、地域医療に貢献できる人材を輩出することは本学の使命です。今年はこれまでの歴史を振り返り、次の半世紀の構想を練る良い機会と思っています」