コロナ後見据え原点回帰

 

 いまだに終息が見えない新型コロナウイルス感染症は、県内経済や県民の暮らしに多大な影響を及ぼしている。そうした中、昨年は“巣ごもり需要”に地域生協の宅配が増えて注目を集めた。また、食の安全、暮らしを守る活動などボランティア、地域貢献活動の継続はもちろん、新型コロナウイルス関連活動にも積極的に取り組むことで「生協」の存在感が高まっている。

 県の「新型コロナウイルス感染症対策医療従事者応援寄附金」への寄付やとちぎボランティアネットワークが提唱する「がんばろう栃木!コロナ支え合い基金」の協力呼び掛けもその一つだ。参加団体の活動としては、子どもの学習支援、子ども食堂、電話による声掛け運動を展開したり、子育てサロンや買い物バスに加え、外出自粛による高齢者の体調の悪化を危惧し、体操教室を開催している。いずれも生活弱者の視点での活動だ。

 関西出身らしく「目の前の事象をポジティブに分析、プラス思考で行動する」が持論。1995年の阪神淡路大震災から始まった災害ボランティア活動は、一昨年の台風19号の県内被災地でも実績を残した。自ら炊き出しに行き、現場に立つことで問題点が見えてくるという。例えば避難所の在り方について「プライバシー、トイレ問題、温かい食事の提供など、多くの人が参加し知恵を出し合えば解決策は見いだせるはず」と県に提言も行った。

 組合員約60万人を擁する連合会の近年の課題に「若い世代の育成」がある。2019年に50周年記念として実施した若手生協職員との座談会で「各生協の理念に沿ってさまざまな活動をしていることが分かった。頼もしい人材が育っている」と「生協イズム」の浸透を確信したという。

 「人と人、人と自然が共存し、時代に応じながらぶれないでいくことが大切です」。アフターコロナの「新しい生活様式」を見据え、原点回帰の重要性を訴える。