歯科を通じ新たな日常へ

 

 昨年1月、国内で新型コロナウイルス感染症が初確認されて以来1年がたつが、終息する気配がない。この影響で、県歯科医師会が長年継続し行ってきた「歯と口の健康週間」や「よい歯のコンクール」などの事業は中止となった。「口腔がん検診」や「行こう歯科健診プロジェクト(宇都宮ブレックスホームゲーム)」などの一般県民向けのイベントも開催することができなかった。

 感染の不安から歯や口の悩みがあるのに外出を控え、定期検診や歯科治療を中断している人が少なくない。

 「各歯科医院では適切な感染防止対策を遵守しています。歯科治療を通して患者様が新型コロナウイルスに感染したという報告はありません」

 コロナ禍において、診療現場が密にならないよう診療時間、診療回数、予約調整等の診療体制についても対応している。今冬は新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行が危惧され、「正しい歯磨き、舌磨きを実践し、同時流行に負けない歯と口の健康づくりに努めてほしい」と日常生活における感染防止を呼びかける。

 歯と口の健康は全身の健康につながり、口腔ケアはがん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病など生活習慣病予防にも役立つ。今年は2011年施行の「栃木県民の歯及び口腔の健康づくり推進条例」が10年の節目を迎える。「骨太の方針2020」で国が掲げた「生涯を通じた歯科検診の充実」を関係機関と連携して推進し、歯科から県民へ「新たな日常」に対応した予防・健康づくりを提唱する。

 長寿社会においては単に長く生きることを目標とするだけでなく、「食べる」「話す」「笑う」といった日常生活の基本的な機能を人生の最後まで全うすることを目指すべきであり、歯科医師会は歯科医療を通じて、笑顔のあふれる真の健康長寿社会の実現に向けた活動を展開する。