幅広いニーズに積極対応

 

 「弁護士の業務は多様化していますが、その根幹にあるのは弁護士の使命である『基本的人権の擁護』と『社会正義の実現』です。栃木県弁護士会の理念も、まさにそこにあります」

 200名以上の弁護士・弁護士法人が所属する栃木県弁護士会(2020年12月4日現在)。社会を成立させるルールである「法律」の専門家として、その役割はより幅広くなりつつある。「刑事や民事といった裁判関連の業務はもちろん、子どもや高齢者、障がい者など社会的に弱い立場にいる方々の人権問題や、市民の皆さんに向けた法律相談など、弁護士と弁護士会の役割は多岐にわたっています」

 企業活動においては、従来の企業の顧問以外に、事業承継やM&A、知的財産関連、コンプライアンス関連など、活動の場が急速に拡大している。

 弁護士会の現状について聞くと「大きな問題は、近年の法曹志望者数の減少です。この10年で司法試験受験者が約半分に減りました」と危機感を募らせる。「より一層の広報活動で、有為の人材に呼びかけたい」

 また、急速に進行するIT化も喫緊の課題だという。「文書作成や判例等検索など、さまざまな業務でITが不可欠になりつつあります。リーガルテック(リーガルとテクノロジーを組み合わせた言葉)のサービスが急速に普及しているのも、その現れです。これらの動向をチャンスと捉え、より迅速で質の高いサービスにつなげていきたいと考えています」

 弁護士業務の基本は、対面で話を聞くこと。それだけに新型コロナウイルスへの感染予防対策は重要だ。弁護士会では会員にさまざまな情報発信をすることで、市民が安心して相談できるよう対応している。「今年は、県民に向けた各種法律相談の広報や、事業承継に関連した中小企業向けの相談・セミナー等に力を注いでいきたいと思います」