境界紛争の解決サポート

 

 土地家屋調査士は、法務省監督下の国家資格者で、不動産表示登記申請代理のプロであり、日本唯一の筆界確認の専門家である。測量を行っていることから測量士と混同されることもあるが、「私どもは日々の筆界確認業務において測量を行い、公証資料を分析し、土地所有者相互間の筆界の認識について意見調整、筆界推認を行っている、境界ミニADR(裁判外紛争解決制度)の実践者でもあります」と説明する。

 2007年には、栃木県弁護士会の全面的な協力の下、「境界問題解決センターとちぎ」を設立し、境界紛争問題を解決するサポートを行ってきた。「開設以来、多くの県民の皆さまからご利用いただいています。境界問題は根深いものになりがちですが、双方が納得のいくかたちで解決できるよう、きめ細やかな対応をしています」と話す。また、全国で栃木県会が先駆けとなり、初の民間主導による境界問題連絡協議会を立ち上げた。県内行政の境界確認事務担当者が一堂に会し、官民境界確認事務に関して意見交換、研修研さんに努めている。

 少子高齢化に伴い、近年は所有者不明土地問題や空き家問題が先鋭化しているが、土地家屋調査士は通常業務でこれらの問題に直面しており、その解決の一翼を担っている。加えて、毎年頻発している激甚災害においても、「筆界確定を通じて減災、防災、復興に資するところが大きく、今後も社会貢献事業を推進していきます」と力を込める。

 1950年に土地家屋調査士法が議員立法により制定され、昨年、70周年を迎えた。これに際し、「不動産の終活に関する専門家(土地家屋調査士、弁護士、公証人、司法書士、法務局)の支援」をテーマに、記念シンポジウムを実施。シンポジウムの内容は、今年早々にオンラインで配信予定だ。「今後も、こうしたシンポジウムの開催を予定しております。ぜひ多くの皆さまに聴講いただければ幸いです」と呼びかけた。