創業150周年へ戦略を起動

 

 ようやく若者たちでにぎわうようになってきた宇都宮市の中心部も、新型コロナウイルスの感染拡大でその活気にもブレーキがかかった。まちなか活性化のけん引役でもある「宇都宮屋台横丁」で屋台店主と共に生活を掛けて仕掛ける立場から「一時は自粛をせざるを得ませんでした」と話す。温浴施設「宝木之湯」「宇都宮の湯」も「動きはあるもののいまだ本来の数字には戻らない」「コロナによって生活スタイルや価値観は大きく変わりました。リモートワークなどが浸透し、コロナ前の生活にはもう戻れないと認識しなければなりません。もしかすると物事の変化のスピードが驚くほどに加速するのかもしれません」。ただ、それで良いのかと疑義を投げかける。

 「人と対面しないでも仕事が出来るようになっています。他人と関わらなくても生活が出来てしまう。人が集まること自体が悪であり、話すことも悪のように報道される。確かに他人と関わることや関係を築くことは、面倒くさいことでインターネットやバーチャルの世界に身を置くのは効率的で楽で便利。人として大切なことをコロナの問題に乗じて否定する世間で良いのでしょうか」「人間は笑ったり泣いたり怒ったり。人間らしさをどこかに残していくような社会であるべき」「時代の流れは変わらない。国際社会や大企業は対応を求められるでしょう。私たち地方都市や中小企業は同じ土俵に上がって勝負すべきなのでしょうか」

 1877年、肥料商として創業。その後、石炭卸販売の「村上石炭店」となった。戦後、石油製品の取り扱いを始め、ガソリンスタンドの運営などにも乗り出す。1993年に社名を「村上」に変更、2027年、創業150年を迎える。「お風呂も屋台も大衆文化の象徴です。大衆はしたたかで強いもの。コロナ禍でも耐え忍び、きっとたくましくまた立ち上がるでしょう」。大衆文化を支える企業として、150周年に向けた戦略を起動する年となる。