農業現場の声を農政に

 

 農業委員会相互の連絡調整や、農業経営に対する支援業務などに取り組む栃木県農業会議。2011年に第8代会長に就任し10年となる。「引き続き農家の支援だけでなく、現場の声を農政に届ける役割を果たしていきたい」と意欲を示す。

 新型コロナウイルスは農家にも多大な影響を及ぼした。「イベントの中止や外食の自粛、訪日外国人の減少により、特に花き農家や高級食材の和牛の肥育農家などは打撃を受けました」と表情を曇らせる。引き続き国、県に農家への支援を求めていく一方、「ウィズコロナの時代に対応した、ITなどを活用した農業の省力化も必要になっていきます」と強調する。

 20年に国の食料・農業・農村基本法(農基法)の第5期計画がスタートし、21年は県の次期農業振興計画の策定が予定されるなど、国、県とも農政の節目の時期を迎えている。
 「国、県とも共通して指針に掲げているのが、農業人口が減少する中、いかに農地面積を維持するかということ」とした上で「そのためには農地を集積し、効率的な農業経営で規模拡大を進めるしかない。農地に関わるわれわれの果たす役割も重要です」と見通す。

 従来の農政は国が主体で進めてきたが、近年、地方に権限を委譲する傾向になっているという。「できるだけ現場に近いところが管轄してほしいという国の意向が働いており、これからは県としての農政の在り方がますます重要になります。積極的に協力したい」と力を込める。

 昨年は農業委員会の全国組織、全国農業会議所の会長に本県から初めて選出された。各種会議への出席や、国への要望活動など多忙な日々が続く。「今は仕事の3分の2が全国農業会議所関連です」と話す。

 新型コロナだけではなく、少子高齢化など21年も農業を取り巻く状況は依然として厳しい。「農家が円滑に経営を進められるよう、しっかり取り組んでいきます」