地域と共に進み続ける

 

 コロナ禍に直面した昨年は、医療従事者をサポートするために応援用のポンチョを医療防護服として役立ててもらおうと宇都宮市に500着ほど寄贈したり、地域の飲食店と連携してテイクアウト商品をコラボしたりするなど、普段は支えられている地域を支援することに重きを置いた。また、クラブが長年努力してきた集客活動を中断しなければならない中では「サポーターやスポンサーに何が貢献できるか」を考え抜いた。その中で際立っていたのはSNSや動画配信の活用だ。選手たちに協力を求めて実現したオンライン接客や宇都宮市の観光案内、選手によるプレー解説動画などは好評を博した。スポンサーアクティビティの一環として選手たちが企業の商品をSNSで紹介するなど「SNSや動画の活用は他クラブに先んじてチャレンジできた」。観客動員の人数制限が続く状況では入場料やグッズ収入の減少は避けられず、その分のコストコントロールを徹底する必要性に迫られたが、トップチームの協力によって関東近郊のアウェイ戦を当日移動にしたり、ホームゲーム運営の人員やゲートを縮減したりすることで経費を節減。コンパクトなホームゲーム運営を実現できたのは「J3時代の経験が活きた。この経費でもやれるということを経験上分かっていたのは大きい」と振り返る。そんな中で、昨年のトップチームはアカデミー出身の若い選手たちが次々と活躍。「クラブを支援してくれる方々にも心から喜んでもらえた」ことはクラブにとって希望の光だった。

 コロナ禍における2年目の今年も厳しい状況は変わらない。それでも「この数年のクラブはどんな苦しい状況に直面しても、そこから前に進むためにどうすればいいかを常に考えてきた。それは何よりの強み」と自負する。「3年後、5年後を見据え、今年は投資すべきは投資し、必ず前進します。コロナ禍から回復する1年目という位置づけにしたいと思っています」