「グローカル」への挑戦

 

 昨年は、運営するプロサイクルロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」のエース増(ます)田(だ)成幸(なりゆき)選手がチームメンバーの献身的なサポートのもと、東京五輪自転車ロードレース競技の日本代表に初選出された。「国内を主戦場とするチーム、選手にとって今回の挑戦は、本当に社会的意義のあるものだったと思います。本番に向けて増田選手を継続的にバックアップしていきます」と力強く語る。

 日本代表の選考にはUCI(国際自転車競技連合)の認可を受けた国際レースでUCIポイントを獲得しなければならない。ところが、代表選考が佳境を迎える中、新型コロナウイルスのまん延で国内や世界各地の国際レースは中断を余儀なくされる一方、増田選手は「国内にいたのではポイントが得られない厳しい状況」に追い込まれた。しかし、そこでチームは大きな賭けに出る。「最後の望みは再開された欧州で難度の高い国際レースに出場すること。そこでスペインでのレースにチーム初の欧州遠征を敢行しました。結果、増田選手は五輪代表を争うライバル選手を獲得ポイントで上回り、代表選出されました」と逆転に至った舞台裏を感慨深そうに語る。

 とはいえ、コロナ禍により失ったものも決して少なくない。「当社もスポンサー企業様や地域の皆様の支援によって成り立つものであり、支援企業様がダメージを受ければ会社の運営にも直結します。昨年は主催するレースやイベントも全て開催されず、当然その収益もゼロでした」

 昨年の苦い経験を踏まえ、今年の目標に「安定的な基盤の確立」を掲げる。さらに、地元開催のレースを盛り上げること、世界を視野に入れることの両立を図るグローカル(グローバルとローカルの造語)ビジョンを策定する予定だ。「宇都宮ブリッツェンが目指す『次のステップ』です。自転車ロードレースの感動を県民の皆様にお届けしつつ、世界まで見据えた活動をしてまいります」