基幹病院の使命果たす

 

 新型コロナ禍中の昨年4月、8代目の院長に就任。「各方面にあいさつにもうかがえないほど忙しくて、失礼をしました」と申し訳なさそうに振り返る。当時は外来患者の減少などコロナの大打撃を受け「病院始まって以来の最大の危機」の状況。就任から2週間後に勤務医の感染が判明したが、以後一人の感染者も出していない。

 「高度医療を行う第3次救急医療施設として地域の基幹病院としての役割・使命を果たすためにも、コロナの影響で機能を落とすわけにはいかない」と先頭に立った。院内に対策チームを組織。紫外線放射による殺菌消毒するロボットの導入や会計窓口を増設し外来の密を避けるなど、多様な対策を講じて乗り切った。

 「病院は変わらなければならない」との信念から、三つのことを打ち出した。一つが働き方改革で、象徴的な施策として1月から第2土曜日を休みにする。仕事の合理化などで労働時間の短縮も図る。

 二つ目が雇用制度の改革。ドクターズクラーク(医師事務作業補助者)のような特定職正社員制度を就任早々導入した。これをさらに進めることにより有能な人員を確保する。フレキシブルな雇用を導入することで職場の風通しも良くする。三つ目は情報公開で、病院の意思決定過程をできるだけ公開し、多くの従業員の知恵を集め取り入れる。

 また、経営改善へ向け、材料費のコスト削減や外来部門での検査体制等の充実など2大プロジェクトを掲げ、小さな事項から始めて収益構造を見直す方針だ。アフターコロナをにらんでのことでもある。

 1986年に現在地に移転する以前から勤務。「旧病院を知る人間も数えるほどになった」と笑う。医師約200人、職員1500人近くを抱え、644床を設備する大病院のトップとして「病院をこれからも発展させていきたい。そして、変わることなく地域医療に貢献したい」と気負ったところは全くない。