提案型物流で時短達成

 

 「コロナに始まって、コロナに終わった年」「対応、対策に苦労した分、リスク管理の度合いが見えてきた」と、昨年一年を振り返る。

 長時間労働などを背景にドライバー不足が深刻化するトラック運送業界。将来の担い手確保のための働き方改革にいち早く取り組んだ。従来の商慣習を見直し、荷主ら顧客に運賃を含めた労働条件、業務の見直しをお願いし、2019年前半に時間外労働「月60時間」を達成した。コロナ禍で雇止め、解雇がクローズアップされ社員に動揺が広がる中、「一切解雇しない。給与も減らさない。むしろ人を増やす」と社員全員の前で言い切った。戦略的投資として優秀な人材の確保にも踏み切った。

 従来の輸送手段やシステムの見直し、多様化するニーズ、コストなどを独自のアイデアとサービス、そしてそれらを軸にした「提案型物流」。「顧客の潜在的ニーズを見極め、他社が真似できない『負けない経営』を目指した」「売り上げではなく利益の確保を最優先した。結果、高収益体質が担保でき、実現できた」と自負する。10年以上無借金経営が続いている。

 運送の物流事業部、2×4パネル住宅を施工する住宅事業部、引っ越し事業部に加え、近年注力する外注によるマネジメント事業を手掛ける。同社の強みは、ドライバーら社員が各部門の業務を横断的にこなせること。こうした多角的事業展開が注目を集める。

 「過去の非常識は今の常識。今の非常識は未来の常識になる。だから経営者は未来を予測することが必要」。主要取引先、トヨタウッドユーホームの中(なか)津(つ)正(まさ)修(し)会長から掛けられた言葉が指針だ。

 今年9月に50周年を迎え、グループの売り上げ目標を50億円に据えた。今後は「中津会長はじめ、お世話になった人に恩返しがしたい」と、県トラック協会理事、宇都宮支部長として若手経営者の教育に注力するつもりだ。