スタジアムを日常の場に

 

 昨年はコロナ禍の中、支えてもらっているファンやスポンサーに何ができるか知恵を絞った一年だった。無観客試合のなかで実施したのはリーグ戦全試合のライブ配信。誰もが視聴できる環境を作り、そこでスポンサーの露出も確保。「ファンやスポンサーの方々には苦しいときに支えていただき、何とか乗り越えられた一年でした」

 一年の締めくくりとして目標のJFL昇格に挑んだが、関東リーグで優勝し、その先の地域チャンピオンズリーグも無敗で乗り切ったものの、それでも昇格できない狭き門が立ちはだかった。「頼れる中堅が加入し、彼らを中心にチームがまとまった。今年は『あの悔しさを風化させない』と決意する主軸選手たちが残留し、今年こそ突破しようと燃えています」。栃木シティフットボールクラブとして生まれ変わってから4年目を迎える。昨年までトップチームで活躍した選手がアカデミーのコーチに転身するなど「クラブとして理想的な循環になりつつある」だけに、今年こそJFL昇格をクラブの追い風にしたい。

 一方、クラブ経営の目玉となるのが2月に竣工する岩舟町の新スタジアムだ。県内初となる6千人収容のサッカー専用スタジアムは普段はトップチームの練習場を兼ねる。欧州のスタジアムを参考に、中心に巨大なビジョンを据え、観客席からピッチまでわずか5メートルという仕様は全国でも例を見ないほど。「来てもらえれば必ず楽しめる」という洗練されたライブ空間にこだわった。企業向けのビジネスラウンジには商談用のスペースも完備。地域の誰もが気軽に集まれる場所として位置付ける。「チームを熱狂的に応援しても良し。ビールを片手に皆さんでわいわい楽しむのも良し。気軽に集まれる場所を用意することで、週末には必ずスタジアムに行く、という文化が根付いてほしい。新たなスタジアムが県南地域の人たちにとって日常の一部になっていくのが理想です」