集客から「向客」へ新挑戦

 

 従来は、いかに“集客”し、売り上げを上げるかが百貨店のテーマだったが、新型コロナウイルスの影響でそうしたビジネスモデルは成立しなくなった。現在は、自らアプローチする“向客”が新しいビジネスモデルになりつつある。「当百貨店も、コロナ禍により来店者数は減少したものの、購買率は上がっています。今後は、質の高い接客をして客単価や購買率を上げていくことで、前年比80%の来店数でも前年と同じ売り上げになるビジネスモデルを確立していきたいと思います」

 昨年は、時間短縮や休業日の設定により、一時売り上げが落ち込んだが、6月以降、客足も戻りつつある。「北関東は思った以上に回復が早かった印象です。お客様は首都圏に行くことを控え、地元での消費が増加したためと思われます」。地元回帰の機運が高まる中、新たな視点でさまざまな取り組みを開始した。

 昨年10月、同社の最上位顧客である外商お得意様向けの特別室「ロイヤルサロン」をオープン。休憩スペースの「ロイヤルラウンジ」のほか、商談などを行う完全予約制の「VIPルーム」を設け、高級ブランド品の展示や販売会などを開催している。今春からはオンラインショップをスタートさせ、新たなビジネスにもチャレンジする。「東武グループの一員として、相互送客を行うなどグループ内の連携を高めることにも注力していきたい」と意欲的だ。

 継続的に安定した利益を確保するためには、百貨店の主力顧客である団塊の世代だけでなく、若い世代の取り込みも重要になる。「これまでの『衣・食・住』から『美・食・住・遊・学』の五つをキーワードに、これからの新しいニーズをとらえた売り場の拡大や新設、買い回り性や利便性を考慮した再編に取り組んでいきます」と決意を語る。「地域の百貨店として、まちづくり、経済、社会の成長のために尽力し、地域の皆さまのために貢献していければと思います」