「しょうがを食卓に」展開

 

 漬物の製造、販売で創業から60年目を迎えた。1968年に商標登録された「新がり完成品」は長年にわたり愛される看板商品であり、しょうがを薄く切り甘酢漬けした「がり」など関連商品は国内販売シェアの約25%を占める。遠藤食品の「がり」は欧米、アジア、オセアニアのすし店に提供されている世界のブランドだ。  今年も「しょうがを食卓に」をスローガンに、次代の食文化を追求する。「漬物業界の中でも、私たちは『酢漬け』の商品が中心。お客様のニーズに合わせて納品するのが使命です」と力を込める。

 昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言で多くの店舗が閉店となり、業務用の売り上げは4割減に。一方で、スーパーなどでは紅しょうが、業務用ではテークアウト用のミニパックなどに相当の注文があり、「『コロナ特需』もあり、トータルではマイナスですが大きな落ち込みは避けられました。さらに中国、タイのしょうがは原材料価格が高騰して中国からは安価な完成品も流通するなど、市場への対応はますます難しくなっています」と振り返る。

 コロナ禍の経験を踏まえ、売上の柱は5本持たなければならないと考えるようになったという。「会社の柱が1本だと一つの業態がだめになってしまうと会社全体がだめになってしまいますが、5本の柱があればどれかが助けとなります。環境の形が変わったマーケットに対してこちらも形を変えなければなりません」と企業防衛の重要性を語る。

 「しょうがを素材とする商品市場は商売がしやすく、まだまだ広がりのある世界です。ブランドを譲り受けた酢漬けのお菓子『さくら大根』は、SNSでも取り上げられ、今の高校生にも人気があります。今後はさらにお客様が手に取りやすい環境づくりを進めていくことで、漬物の食文化を守っていきたい」と、さらなる販路拡大に強い意欲を示す。