アフターコロナへ知恵を

 

 2020年は農業者の所得増大や農業生産の拡大などを柱にした「創造的自己改革の実践 3か年計画」の2年目だったが、JA栃木中央会にとって激動の年となった。新型コロナウイルスの感染拡大によって3月に予定されていた「全国いちごサミットinもおか2020(真岡市などで構成する実行委員会主催)」など本県の農産物をPRするイベントの中止が相次いだ。

 農畜産物の消費も落ち込んだ。一昨年、皇位継承の重要祭祀(さいし)、大嘗祭(だいじょうさい)の中心的儀式に使われるコメに、本県オリジナル品種「とちぎの星」が選ばれ、全国にその名が広まった。「これからとちぎの星を全国にPRしようという矢先のコロナ禍でした。対面販売や移動などが厳しい状況になり、思うようなPR活動ができませんでした」と振り返る。

 こうした事態に対応するため、行政機関にも積極的に働きかけた。県に対し、経営支援の継続、拡充、農畜産物の消費喚起対策への費用助成、需要に応じたコメ生産の取り組みへの支援などを求めた。「昨年末になって牛肉などは元の状態に戻りつつありますが、花やコメは厳しい状況が続いています。コメは特に生産過剰となっています」という。

 昨年、いちごの新品種「とちあいか」の販売が始まった。酸味が少なく、甘味が強いのが特徴で生産面では収量が多いという利点がある。「市場の評価も良いようです。形も良く、収量も多いのでたくさん食べてもらいたいですね」とPRする。

 21年は「創造的自己改革の実践 3か年計画」の最終年となるが、「着実に改革を進めていきます。担い手育成など成果は上がっています」とする。

 コロナ禍も続くとみられるが「都会から地方へという人の流れがコロナ禍によって広まっているようです。栃木には農業を中心にした暮らしやすい社会があります。アフターコロナの時代へ、知恵を絞っていかなくてはなりません」と前を向く。