夏の高温化や豪雨の増加といった近年の気候変動は、特にコメや果樹、畜産など県特産の農産物へ影響を及ぼしつつある。農業への影響は西日本を中心に深刻化しており、県や農業関係者は「明日はわが身」と警戒。今後の対策に気をもんでいる。
「このままでは巨峰が作れなくなる」
JAしもつけの担当者は、農家からそんな不安の声を聞くという。管内の栃木市大平・岩舟地区はブドウが特産。だが近年は夏の気温上昇で日焼けや着色不良の発生が増え、品質低下につながっている。
ブドウは病害も目立つようになってきた。特に雨を通じて被害が広がる病気が深刻で、近年夏に集中豪雨が増えているため、成熟期に発病し腐敗するケースが出ている。県下都賀農業振興事務所の担当者は「露地栽培を中心に、特に数年前から被害が広まっている」と説明。薬剤散布のほか、雨よけなどの技術指導で被害抑制を図っている。