「とちあいか」を栽培するハウス内。篠崎さんは「収量が多く育てやすい」と語る=15日午後、宇都宮市内

売り場に「とちあいか」が並ぶ東急ストア中目黒本店=都内(東急ストア提供)

「とちあいか」を栽培するハウス内。篠崎さんは「収量が多く育てやすい」と語る=15日午後、宇都宮市内 売り場に「とちあいか」が並ぶ東急ストア中目黒本店=都内(東急ストア提供)

 栃木県が開発したイチゴの新品種「とちあいか」の2021年産(20年10月~21年6月)の出荷が本格化している。7月に名称が決まって初めて迎えるシーズン。県やJAは「市場評価を受ける勝負の年」と位置付け、栽培技術の向上や販売戦略の確立に動く。コロナ禍で試食会など対面でのPRが難しい中、県は専用サイトやPR動画を作成するなどデジタルプロモーションを強化する考えだ。

 11月下旬、東京都目黒区の東急ストア中目黒本店。特徴を説明するリーフレットと共に、新顔の「とちあいか」が売り場に並ぶ。

 「大粒で食べ応えがあり、酸味が少なくて甘い。ハーフカットにするとハート形に見える点が、クリスマスやバレンタインなどのイベントでも訴求しやすい」と野中洋介(のなかようすけ)バイヤー。買い物客からの評判は上々というが、「まだ認知度が足りない」(野中バイヤー)。どれだけ消費者の心をつかめるか、関係者は注視する。

 期待の新品種は、作りやすさも重視して開発された。宇都宮市内のハウスで「とちあいか」を育てる県名誉農業士の篠崎和一(しのざきかずいち)さん(70)は「小さなイチゴが少ないので、収穫後の作業の手間も少ない」と話す。他にも、とちおとめより収穫が早く病気に強い点や、収量の多さを特性に挙げる。「周りにも新しく作りたいという生産者は多い。とちおとめに次ぐ品種になるのではないか」と期待を寄せる。