小橋元氏

年末年始の帰省・会合のポイント

小橋元氏 年末年始の帰省・会合のポイント

 栃木県内でも新型コロナウイルスの感染「第3波」が深刻化し、県が「県医療危機警報」を発令する中、年末年始の帰省シーズンを迎えた。県内医療の厳しい現状を知る獨協医大の小橋元(こばしげん)副学長(公衆衛生学)は26日までに下野新聞社の取材に応じ、「現場は逼迫(ひっぱく)しているが、自分たちの仕事を死に物狂いでやっている。これ以上感染を広げない行動をお願いしたい」と話し、改めて帰省や飲酒を伴う会合などを控えるよう呼び掛けた。

 政府は14日に「GoToトラベル」の全国での一時停止を決定した。小橋副学長はこれら「GoToキャンペーン」について、新型コロナの「第2波」が一段落して人々の危機意識が緩んだ状況で始まったとし、「観光業、飲食業の方を助けたいという目的は理解するが、GoToで感染が拡大したと言わざるを得ない」と分析。政府は同キャンペーンで感染が広がったとの考えを「エビデンス(証拠)がない」と否定したが、小橋副学長は「GoTo自体が観光業、飲食業支援の現在進行形の施策だった。エビデンスがないのは当然」と指摘した。

 県は23日、県医療危機警報を発令し、県民に来年1月11日まで地域を問わず不要不急の外出を控えるよう呼び掛けた。

 お盆などに帰省を見送った人にとって「今回こそ」との思いがあるかもしれない。しかし無症状の場合、移動中や帰省先で無意識に感染させてしまう可能性があり、家族や友人などのリスクが高まる。不特定多数が利用する公共交通機関や高速道路のサービスエリアを使う際も同様だ。

 小橋副学長は「感染経路不明の症例も増えている。移動自体を制限しない限り拡大する」とし、長距離移動を伴う帰省は避け、オンラインなどによる“帰省”が望ましいとした。

 新型コロナは飛沫(ひまつ)やエアロゾル(空気中に漂う小さな粒)、接触による感染が報告されている。冬場は換気が滞り、乾燥してウイルスが空気中に長く漂いやすくなることから流行しやすい傾向にある。また年末年始は飲酒を伴う懇親会や長時間に及ぶ飲食などの機会が増えることが予想され、感染リスクが高まるこれら「五つの場面」を避ける意識が求められる。会合は換気しながら短時間で行い、参加する際はマスク着用や手洗い、アルコール消毒を徹底したい。

 小橋副学長は「一人一人がコロナを広げないよう行動すれば、いつか元の生活に戻れる。帰省や会合は我慢してほしい」と訴えた。