ざるにそばを盛る森田さん

細打ちの「ざる」と人気の「だし巻き玉子」

森田敏規さん

ざるにそばを盛る森田さん 細打ちの「ざる」と人気の「だし巻き玉子」 森田敏規さん

 そばの屋台を舞台にした、古典落語の滑稽話。その演目を店名にするそば店は、都営三田線御成門駅とJR新橋駅の間に位置する。

 石臼びき自家製粉の本格手打ちそば。そば粉と水だけで打つ「十割そば」だけに、水にこだわりを持つ。店主の森田敏規(もりたとしのり)さん(42)は「そばは水が命。北アルプス連峰の伏流水を使っているんですが、これがすごくいい」と説明する。

 そば粉は十割に向くという福井県産が中心で、新そばには栃木や北海道など各地のものも使う。喉ごしを楽しむ「細打ち」と、味が濃く香りも強い「太打ち」の2種類ある。「喉ごしの良い十割そば」が売りだ。

 本節だけでだしを取るそばつゆは、うま味が強くキレもある。細打ちの「ざる」(930円)は、もっちりとしたゆであがりで、そばの味も香りもしっかり伝わる。

 「日本酒とそば前を楽しんでもらい、おいしいそばで締めてもらう」が店のコンセプト。日本酒は自分が好きなものを中心にバランス良くそろえ、「仙禽(せんきん)」など栃木の地酒も置く。ふわっとジューシーな「だし巻き玉子」をはじめ、酒が進むメニューが並ぶ。

 さくら市出身の森田さんは、和食の道を目指す途中でそばと出合い、のめり込んだ。先代から譲り受けた店で開業して12年。「一人でも気軽に寄れて、飲めるそば屋であり続けたい」と笑顔で話す。

 新型コロナウイルスに苦しめられた1年も残り1週間。締めくくりにはそばを食べ、来る年への期待を胸に年を越したい。

 メモ 港区新橋5の33の3。電話03・3436・7959。午前11時30分~午後2時、同5時30分~10時。土曜夜、日祝休。

■店主の思い

 生まれ故郷なので、栃木は落ち着く場所。離れて思うのは、自然が豊富でいい温泉がたくさんあるということですね。なぜ魅力度が低いのか分からない。古里だけど、あえて栃木に旅行に行くのもありだと最近は思っています。