年賀状を廃止する企業が作製したお知らせの文書

 年賀状を廃止します-。虚礼廃止や環境保護の観点などから、年賀状の送付を取りやめる栃木県内の企業が出始めている。取引先だけでなく、社員間の年賀状をやめる企業もある。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、企業の担当者からは「年賀状であっても、明けましておめでとうございますと言いにくい」という声も漏れる。

 住宅施工販売の「丸和住宅」(栃木市箱森町)は、来年から年賀状での新年のあいさつを控える。例年約400枚の年賀状を出していたが、「一番大きな理由は虚礼廃止」と担当者は説明する。

 同社は、今年からお中元やお歳暮を断っているという。担当者は「地域に根ざす企業として、早くから虚礼廃止に取り組むことも大事だと考えている」と明かす。

 新型コロナの影響からウェブ会議を進めており、「それが逆に書面上でなくてもつながれると分かった」と話す。

 小山市内の企業は環境保護の観点からペーパーレス化に取り組んでおり、その一環として年賀状の廃止を決めた。それに併せて社員同士の年賀状もやめる。担当者は「年賀状を作るにも時間がかかる。会社として号令がかかれば社員もほっとするだろう」とした。

 また、宇都宮市内の企業の担当者は「コロナ禍で『おめでとうございます』というのもふさわしくない側面がある。虚礼廃止の動きがある中で、年賀状を取りやめるならこのタイミングだと思った」と打ち明ける。

 年賀状の作成は配属や役職の確認など、送り先の更新作業に「かなり手間がかかる」と担当者。従業員の業務負担削減も狙いの一つという。「年賀状が本来の目的と変わってきている。違う形での新年のあいさつもある」と話した。