桜井啓一氏

福田陽氏

桜井啓一氏 福田陽氏

 10月29日告示、11月15日投開票の栃木県知事選で違法な文書を配布したなどとして、県警は21日、公選法違反(法定外文書頒布、事前運動)の疑いで宇都宮市議会の桜井啓一(さくらいけいいち)議長(58)と、当選した福田富一(ふくだとみかず)知事(67)の次男陽(あきら)同市議(36)ら6人を書類送検したことが同日、捜査関係者への取材で分かった。桜井議長と福田市議は下野新聞社の取材に対し、法定外文書の配布と事前運動を認めた。桜井議長は同日、議長職の辞表を提出した。

 捜査関係者などによると、6人は共謀して告示直前の10月下旬、宇都宮工業高野球部OB会会員に、福田知事への投票を呼び掛ける趣旨の法定外文書計数百枚を郵送した疑いが持たれている。両市議のほか、元国会議員秘書やOB会幹部らも関与していたとみられる。

 桜井議長は、下野新聞社の取材に対し「(文面は)違法とは思いもしなかったが、(違法性を指摘されれば)そうだ。自分も少し加筆し、軽率だった」と釈明した。福田市議は「当初の文案は後援会入会のお願いだったが、その後、支援をお願いする内容に変更された。止めるべきだった」とした。

 公選法は、公平な選挙を実現する趣旨から、選挙管理委員会に届け出たビラなど配布できる文書の種類や枚数を定めており、それ以外の配布は禁じられている。

 桜井議長は2007年に初当選し、現在4期目。市議会最大会派「自民党議員会」所属で、議会運営委員会委員長や副議長などを歴任し、今年3月、議長に就任した。同校野球部のOBで、OB会副会長も歴任した。関係者によると、議長職辞任の理由については「一身上の都合」という。

 福田市議も自民党議員会所属。19年4月の市議選で初当選し、現在1期目。市議選では、知事の次男という高い知名度を生かし、得票数2位だった。

 知事選では、現職の福田知事が41万6628票を得票して当選。無所属新人候補との一騎打ちで、約21万票の大差をつけての圧勝だった。福田知事は、同校の卒業生。