“巣ごもり正月”に向けて需要が高まるおせち。コロナ禍で「プチぜいたく」「少人数用」が傾向という=今月上旬、宇都宮市宮園町

 コロナ禍で予想される“巣ごもり正月”に向けて、県内でおせちのニーズが多様化している。「外食を控えた分、プチぜいたくを楽しみたい」「家族が帰省しないので少人数でゆっくりと」。東武宇都宮百貨店は昨年を上回る170種類をそろえ、15日までの受付期間の予約件数は前年比13%増と好調だったという。宴会などが激減し打撃を受ける飲食店も需要喚起に力を入れ、完売した商品も出ている。

 「外出や外食がしにくいから、いつもより高級な商品を選んだ」。東武宇都宮百貨店5階の特設売り場。宇都宮市東峰町、斉藤民雄(さいとうたみお)さん(71)は予約を済ませ、「家族でゆっくりと過ごしたい」とほほえんだ。

 同店は今年、県内外の人気店から和洋中の約170種類をそろえた。「自宅で過ごす人が増える」と需要増を予測し、昨年の130種類から大きく増やした。

 おせち担当の販売サポート係長山崎真(やまざきまこと)さん(45)は「例年以上に注目が集まった」と語る。特設売り場は15日で終了したものの、地下食品売り場の一部店舗では継続して予約を受け付けているという。

 コロナ禍で打撃を受ける飲食店も種類を増やすなど対応を工夫している。

 那須塩原市本町の「割烹(かっぽう)石山」は今年初めて、1万円の1~2人用を用意した。常連から「遠方の家族が集まりにくく、少人数用は助かる」と好評という。

 1~3万円まで5種類をそろえ、20日まで予約を受け付けた。女将の石山桂子(いしやまけいこ)さん(68)は「今年は別荘地から少人数用を頼む方もいた。需要の多様化を実感している」と説明する。

 小山市若木町1丁目の中国料理店「扇子 THE CHINOIS(シノワ)」は、伊勢エビやフカヒレなどの豪華食材を使った限定15食の2段重(4万5千円)と、30食の1段重(2万円)が完売した。昨年より数を増やしたが、2段重から先に売り切れたという。

 オーナーシェフの石毛啓之(いしげひろし)さん(45)は「地元のお客さまを中心に、おせちが好調でありがたい」と感謝する。一方で「忘年会などはキャンセルが多く、厳しい状況が続いている」と複雑な胸中も語った。