県内の新型コロナウイルス感染者が19日、累計で千人を突破した。獨協医大の増田道明(ますだみちあき)教授(62)=ウイルス学、微生物学=は感染拡大の要因として気温の低下を挙げ、「夏や秋と同じ感覚ではいけない。さらに寒い1、2月を控え、ピークの予測も立てにくい」と警鐘を鳴らす。誤解や偏見による差別被害などを懸念し、「ウイルスの怖さの感じ方に対する個人差を許容して自分を守ることが大切」と忠告した。

 海外の研究を元に、感染者から排出されたコロナウイルスは、気温が低いと感染力を失いにくい点を挙げ、「同じ接触具合でも夏は運良く感染しなかったが、冬は感染するということがある」と話す。換気すると室内の気温が下がるため、換気が必要な状況かどうか見極めることも大切という。

 政府が感染拡大を食い止めようと設定した「勝負の3週間」では、全国的に感染者の減少につながらなかった。「どう勝負すればいいのか、国民が行動に迷った」とし、「地域レベル、国レベルで実効性があるルールを決め、個人の具体的な行動に直結させる方法でもよかった」と振り返る。

 病床の稼働率など県内の医療体制の負荷が高くなっていることに触れ、炎症や血栓を調べる検査などで、重症化しやすいリスクを早く把握することも有効とみる。「高齢者や持病のある人は特に対策、予防に気を配ってほしい」と訴える。

 ウイルスを巡る行動が、社会的な人間関係を悪化させることを懸念する。感染者でも、無症状から命を失う患者まで幅広いため、恐怖心や警戒のレベルに個人差があるのはある程度やむを得ないと考える。

 「自分と価値観や行動が異なる人と反目するのではなく、自分をどう守るかが大切。ウイルスより人が怖い社会状況を作ってはいけない」と念を押した。