19日に閉店するコパンに訪れる常連客たち=18日午前、宇都宮市鶴田町

19日に閉店するコパンに訪れる常連客たち=18日午前、宇都宮市鶴田町

19日に閉店するコパンに訪れる常連客たち=18日午前、宇都宮市鶴田町 19日に閉店するコパンに訪れる常連客たち=18日午前、宇都宮市鶴田町

 障害者らの就労を支援する栃木県宇都宮市鶴田町のパン店「焼きたて屋コパン」が19日、閉店する。障害者や難病の人たちと協力し、焼きたてパンを地域に届けて約15年。新型コロナウイルスの感染拡大が、経営に響いた。「本当に閉店しちゃうの」。閉店前日の18日、常連客から惜しむ声が漏れた。

 同店は2006年5月にオープン。無添加にこだわり、粉から手作りするパンが地域住民らの人気を集めた。一方で、障害や難病で一般企業への就職が難しい人を雇用し、就職に必要な知識や能力の向上を支援してきた。

 しかし、新型コロナの影響は人気のパン店にも及んだ。国内での感染が確認された1月以降、学校や企業からの予約が入らなくなった。感染状況に応じて少しずつ売り上げは戻ってきたが、斎藤美保子(さいとうみほこ)店長(56)は「元気を取り戻すのはなかなか…」と打ち明ける。

 創業当初は「まちのパン屋」は少なかったが、今ではコンビニやスーパーでも焼きたてパンが買えるようになった。最近は食パンブームで専門店も立ち並ぶ。また店内の大型機材も寿命を迎えつつあり、閉店を決めた。

 オープンから14年7カ月。多くの障害者らを支援してきたが、「障害がある人たちと働いているという意識はなかった」と斎藤店長は言い切る。「いろんな個性のある人たちが一緒に働いているのが、コパンのカラー。みんな優秀なスタッフです」と胸を張る。

 閉店を受け、同店では18日からセールを開催した。開店時から常連客が続々と訪れ、午前中には用意したパンが売り切れに。客の中には、目を潤ませる人の姿も。週に1度は買いに来ているという主婦(68)は「孫がクリームパンをこの店のしか食べないくらい好きなので、買いに来た。最後だと思うと本当に残念」と肩を落とした。

 「店を閉じるのはやっぱり切ない」と斎藤店長。店は今後、就労支援事業の施設へと替わる。「閉店は次への切り替えと認識している。明るく終わりたい」と前を向いた。

 最終日の19日は午前10時に開店し、売り切れ次第、終了となる。